表紙 前文 ワーズワース シェリー シェーマス・ヒーニー テニスン バイロン ブラウニング



英詩の訳詩は「詩」でなければならない。

日本語で新しい詩を作ることである。

私には英詩を訳せるほどの英語力がない。

ギリシア・ラテン語は入門程度である。

ギリシア・ローマ神話はざっと勉強した程度である。

それでも英語の詩は訳せるのだ。

独学でもここまで出来るのだ。

詩は言いたいことをはぶくことである。

作者が言わないで置こうとしたことを

どうしても書いてしまいたい。

どうしも付け加えたい。

そういう衝動がつねにある。

作者が言いたいことが分かっていない。

それがまたつねである。

けれでも私は英詩を訳したい。

そうすることによって自己を表現したい。

自己を実現したい。

それをはばむことは誰もできない。